総務省の長期統計系列から総医師数の年次統計。ここでは現役、引退を問わない全ての医師数を比較している。統計が始まった1874年の医師数は28,262人で、人口10万人あたり総医師数は80.4人

総医師数(-青線-)の推移を見ると戦前はほぼ横ばいで、人口10万人あたり総医師数(-赤線-)は逆に減っている。特に1901年の下げ幅が大きい。

その後、太平洋戦争が始まると医師が軍医として徴兵されたことから総医師数が急減。1944年には史上最低の11,137人となっている。このため医学専門学校の新設など医師不足対策が実施され1945年には若干増えている。

戦後は総医師数が増えるものの、同じペースで人口も増えたため人口10万人あたり総医師数は1975年頃まで横ばいとなっている。これに危機感を感じた田中内閣が1973年に一県一医大構想を掲げ、各県に医大を整備した結果、総医師数、人口10万人あたり医師数ともに急増している。

一県一医大構想

日本列島改造論を掲げる田中角榮内閣の下、1972年11月、自民党文教部会が「最近の医療需要の増大に対処するための医師等医療関係者の長期養成計画」を発表し、「無医大県13県(山形県・愛媛県を含める場合15県)」に「国立大学を中心として医科大学(医学部)の増設を推進する」ことをうたい、昭和48年度3校、昭和49年度4校、昭和50年度4校、昭和51年度4校の計15校の新設

その後も医師数は右肩上がりに増え、2010年には人口10万人あたり医師数は230.4人となっている。