厚生労働省の人口動態調査から女性自殺者数の年次推移。同調査の死因集計で「自殺」とされている人数の推移を調べた。なお、1944年から46年にかけてはデータがなく、前後の数値から計算しているので注意されたい。

女性自殺者数の実数(-青線-)を見ると、1958年の9746人をピークに、それ以降は8000人前後で横ばいとなっている。

一方、人口10万人あたり被害者数(-赤線-)を見ると、戦前は15人前後で一定だったものが戦後20人前後まで増えている。高度経済成長以降は13人前後に減少し、その後は横ばいとなっている。

男性自殺者数と女性自殺者数


男女の自殺者数を並べてみると、女性自殺者数が高度経済成長以降横ばいで、人口比で見ると減ってきているのに対し、男性自殺者数の増加が目につく。高度経済成長以降は男性にとって生きづらい時代になっているのは確かだ。

完全失業率との相関を見ると、男性自殺者数は正の相関があるが、女性自殺者数には相関がない。このことから、男性の自殺は経済状況と密接に関係するが、女性の自殺は経済状況と無関係と言える。